2007年11月19日

[931]マカオ視察報告(6)おわりに

  10月24日から27日までの間、会派「自民・無所属連合」で行ったマカオ・カジノ調査の視察報告(咲く咲くブログ版)も最終回となりました。自己決定・自己責任の時代潮流の中、国政与党が進めるカジノ特例構想!沖縄振興の観点から沖縄にカジノ特例を導入すべきかどうか、県民として真剣に考えなくてはならない時が近づいていると思います。これは政府が決めるべき事でも、決めてくれるわけでもありません。沖縄県民が決断することです!!

  誘致せずと決する場合でも、他都市の成功事例やカジノのメリットを踏まえた上での反対でなければ、説得力に欠けると思いますし、逆もまた真なりで賛成派にも同様のことが言えます。賛成派・反対派・わからない派ともども、真剣に議論するところから始めなければならないでしょう。その際に市民代表の議員がオピニオンリーダーとして、或いはファシリテータとしての役割を担えればと願ってやみません。



  議論の際には、カジノの政策適合性・立地成立可能性・経済波及効果・社会問題誘発可能性などの論点整理をしないといけません。ひとつ一つ細かく検証するのは専門家にお任せするとして、ラスベガス・済州島・マカオと見てきた者として、私が現時点でポイントだと考えることと私の考えを簡潔に述べてみたいと思います。

(1)ベガスやマカオ並みの規模のカジノが沖縄で出来るかのかどうか? → 不可能だと思います。ベガスは砂漠の真ん中にあり、土地確保の面で苦労しません。マカオは、土地は狭隘さで苦しんでいますがメガカジノ開発中の地区は埋立地で地権者がいません。さらに近隣に人口700万人の香港、そして億以上の人口を有する広東省を抱えていて、娯楽に飢えた広東、上海、北京などの裕福層が押し寄せています。沖縄は中国語と英語を話せる人材が乏しく、土地・地理的優位性・人材の面できわめて不利です。語学力は、沖縄の国際観光地化の上では喫緊の課題です。

(2)小規模のカジノなら可能ではないか? → メガカジノは私は無理だと考えています。しかし、沖縄の身の丈にあった規模のカジノを考えることは可能だと思っています。この場合は、規模が小さくなる分、土地などの面での実現可能性は高くなりますが、既存のパチンコ大型店との差別化が難しくなるでしょう・・。やはり、大型シアターやアミューズメント施設満載のテーマパーク的な施設でなければ、観光客が来るのかどうか疑問がわきます。そこでキャンプキンザーや普天間飛行場、那覇軍港などの跡地を大掛かりで地権者の了解の下開発できるかどうかにかかって来ると思います・・・。返還の目途も立っていない段階なので、外交上内政上きわめて困難が予想されます。

(3)カジノ依存症や治安が問題では? → カジノによる依存症は、アメリカでも中華世界でもありますので、個人的には地元の人間は入場できなくするほうが良いと考えています。あるいはゴールドカードの持ち主に限り入れるようにするとか工夫が必要だと思います。違法賭博やパチンコのやりすぎで、家庭崩壊・自己破産している事例は実際県内に存在しています。カジノは、あくまで外貨獲得、経済的自立の手段と割り切り、地元民と外来者を区別することが必要と思います。治安については、確かに警察や警備員の質と量両方の拡充が求められることでしょう・・・。ただし、雇用面から考えればいい面ともいえます。カジノ導入を機に県内の違法カジノを一掃できれば、治安状況は逆に良くなる目を持ちえるとも考えられるのでは・・・。

  以上、6回にわたっていろいろと書いてきましたが、私自身さらにカジノ導入については検証が必要だと思っています。私にもまだまだわからない点が多々あります。単純に諸手をあげて賛成といえないところが難しいところですね。多くの皆さんから、ご意見やお考えをいただきながら、政治判断する必要があるときには悔いのないように対処していきたいと考えています。  ご一読ありがとうございました。


※ファシリテータ=議論を活性化する役割をする人。コーディネーターではありません。  

Posted by 栄咲く at 16:42Comments(0)マカオ視察報告

2007年11月16日

[923]マカオ視察報告(5)香港にて

  1998年7月に開港した香港国際空港はかなりでかいですね飛行機。 街中にあった前の啓徳空港に比べると隔世の感があります。さすが、世界一のハブ空港です。ちなみに05の空港貨物取扱量1位、国際旅客数アジア1位。香港は狭い土地に約700万人の人口を有しているからか、高層ビルが林立し、その中に住民がぎゅうぎゅう詰めで住んでいる様に見えます。

  香港は、過去も現在もマカオやメインランドチャイナ経済にかなりの影響を与えていて、マカオまで船で1時間くらいの距離にある中国広東省発展の牽引者です。香港の優位性は中国本土進出の前線基地として最適であり、空と海のインフラが整備されていることと、安い税制であるといわれています。

  法人税の最高課税率は、17,5%

  個人所得税の最高課税率は、16%

  株式譲渡益課税、贈与税、相続税、消費税はありません。


  マカオも香港を見習って優遇税制を設け、企業誘致を目指していることは、過去記事で述べましたが、香港の規模と実績すごいです・・・。マカオ発展の要因には香港の存在が大きいことは確実です。

  沖縄に例えるなら、那覇から高速船で1時間といえば座間味島あたりでしょうか、そこに人口700万人の世界1位・2位の大商業都市があるというイメージになりますね・・・。

  さらに香港の奥の広東省に数億人の市場があるということでしょうか??

  話は変わりますが、沖縄へ戻る前夜、香港島が見える海辺(川辺)のレストランで食事をしましたが、両岸のビルとビルが音楽が始まると共にレーザービームを飛ばしあい、レーザーショーをおっぱじめました。カッコイイといったらありません・・・。

  香港は、私が訪れた9年前より確実に進化していました・・・。



(左端=香港の夕日)  
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Posted by 栄咲く at 15:01Comments(2)マカオ視察報告

2007年11月09日

[908]マカオ視察報告(4)ドッグレース

  こんばんは、皆さん。今日も日が暮れました。この記事を書き上げたら、ある会合に向かいますが、お酒オリオンビール缶は二杯までを肝に銘じ臨みたいと思います。明日は朝から出張です飛行機



  さて、マカオには「競馬と競犬」がありますが、競犬=ドッグレースに興味があったものですから、個人行動の時間に現場に行って来ました。ウサギの縫いぐるみを追いかけて6頭の犬が一周または3分の2週を吠えながら走るんですよ・・・(受けました)!

  ガイドさんが言うには、金持の香港人は競馬場やカジノに行くが、所得が低い地元の人はドッグレース場に来るのだそうです。確かに掛け金もカジノより格段に安く日本円で約150円からかけられます。ただ場内の空気は、どこかよどんでいて、会場も散らかっている感じがして清潔感はなかったです。ここの経営は、マカオ一の大富豪、何一族がされていて、1930年代から続いているとのことでした。

  なぜドッグレースを見たかったかといいますと沖縄でマカオやベガスの規模でのカジノを建設するよりは、既存の闘牛(=牛相撲)や新規のドッグレースを導入し、競馬にならぶプチ・カジノを作る方が現実的ではないかとふと思ったからです。うまくやればマカオにはない、明るく健康的なエンターテインメントに育てられるのではないかと・・!!!!

  ドッグレースの収益を盲導犬育成にまわしたり、闘牛の収益を農業への支援金にまわすなど智恵が出せれば実現しないかと考えたわけです。まあ、本場のマカオでも経営は赤字らしいので、一概にうまくいくとは言えませんが、地元の資源の有効活用と言う視点も大切ではないかと思っています。本稿では紹介にとどめたいと思います。

  第5弾に続く・・・  

Posted by 栄咲く at 18:18Comments(6)マカオ視察報告

2007年11月06日

[902]マカオ視察報告(3)財政・雇用状況etc

  こんばんは、マカオ視察報告~第3弾~です。

  イギリスに統治された香港に比べて、マカオは南欧のポルトガルに統治されていたせいか、どこか「おっとり」としているように感じます。マカオが統治された期間は約450年間。沖縄風に言えば「ポルトゆ~」だった訳です。中国・ポルトガルとの混血も多く、マカオ・ニーズという意識(アイデンティティー)もあるそうです。料理も、ポルトガル(風中華)料理があったり、随所にポルトガルの雰囲気が漂っています。とくに世界遺産に登録された遺跡群を歩くと感じます。沖縄にも世界遺産がありますが、遠方から来た方々がどのように感じているか気になるところです!!


(マカオ・ビジネスサポートセンターでのブリーフィング風景)


(右端=ポルトガル料理店「だんぼー=小飛象」、著作権大丈夫か?)

(マカオの財政・税制)
  マカオ財政は、2002年に国際入札でアメリカのカジノ資本を誘致して以来、右肩上がりで潤っています。ただし、2004年はサーズのお陰で落ち込み、街中、失業者で溢れたそうです。マカオに限らず、観光産業はデリケートですね。沖縄も米国同時多発テロの影響を受けました。心して掛からなければなりません。カジノからあがる収益の35%が税収としてマカオ政府に入ります。これは政府歳入の約6割とのこと。しかし、以前は7割だったとのこと。カジノ以外の企業誘致(売りは税金の安さ、中国本土への前線基地)や会議・展示イベント誘致(ベネチアンは月2回程度誘致出来ているとのこと)での税収も増えている証左ですね。

  なお税金は税率上限が個人にも法人にも12%です。累進課税じゃないので、どんなに儲かっても税率は12パーです。カジノ収益の恩恵の1つといえるでしょう。


(マカオの治安)
  香港返還に絡んで香港の闇金融(高利貸し)がマカオに入り地元黒社会との抗争が起こりましたが、あの時は観光客がこなくなり、地元では自分の首を絞めたとの反省があるようです。ですから返還後、中国政府もマカオ政府も治安維持に相当神経を使っているようです。カジノ内はもちろん、まち中の公園などにも監視カメラがあります。ただし、不法入国者を抑えられず、空き巣・スリなどは増加傾向とのこと。逆に凶悪犯罪は減っているそうです。中国本土では、貧富の格差などでかなりの数の暴動が毎年起こっているので、中国本土との比較の中では、かなり治安は良いと言えるのではないでしょうか。

  まち中に「質屋」があるのですが、結構目を引きました。カジノで全額すった人が帰りの船賃を得るために物を預けるのでしょうか?日本では、サラリーローンの看板やATMが目に付きますが、アナグロだなあと思いました。


(マカオの雇用状況)
  マカオの雇用状況は、すこぶる良好。現在はメガホテルの建設ダッシュへの対応に迫られ、香港からホテルマンを引き抜いてるようです。ホテル関連の人材が不足しています。土地と人材不足がマカオの悩みだそうです。ちなみに失業率は3,1%でで、2003年時の6%から改善されています。人口50数万のマカオで失業者は600人しかいないと言われています。さらにマカオ経済は99年末の中国返還からGDPが毎年二桁成長している高度経済成長なので、労働者の所得も伸びています。

  感心したのは、カジノディーラーの就労はマカオ国籍を持った人間しかできない点。かつ給与が公務員よりも高いので、大卒などエリート層も含めてディーラーになるケースが殺到しており、バランスを欠いていることへの懸念があるようです。マカオの労働者平均収入=月12~13万円。カジノホテル施設労働者=22~23万円。ディーラー初任給=24万円ですよ・・・。


(マカオの教育・医療制度)
  マカオでは高校を卒業するまで学費はただだそうです。また、医療費は65歳以上は無料とのこと。

  カジノの環境が教育上問題ないか沖縄の視点からは疑問に思いますが、19世紀からカジノがある島だったので、私たちの感覚とはかなり違うと思います。先祖や一族の中で、カジノ破産したりヤクザから追い立てられた人は当然いるとのことですが、現代の若者達は、不動産への投資に熱心で土地の少ないマカオ独特の事情も影響していると推察しますが、マンションなどを購入しているようです。人によっては隣の広東省珠海市に住みマカオへ通勤しているようです。マカオより物価が安いので、いいところに住めるのが利点なんですね・・・。一応、夜の街をこの目で見てまわりましたが(もちろん全部は無理でしたが・・)、カジノフロアーやストリートには、青少年の姿は見受けられませんでした。沖縄の方が多いように思います。



※教育・治安・医療・雇用・モラルなどの調査は仮に沖縄にカジノを誘致するなら、非常に重要な項目ですので、今回の視察だけでは不十分だったと個人的には思います。現地に住めば、一番よく知ることが出来ると思うのですが、それは出来ません。マカオ関連の情報をお持ちの方は、コメント欄やオーナーメール欄にお寄せ頂ければありがたいです。今後の議論の参考にしたいと思いますので・・・。                  



   

Posted by 栄咲く at 20:49Comments(6)マカオ視察報告

2007年11月05日

[900]マカオ視察報告(2)衝撃のメガホテル

  忘れないうちに報告せねばと思いつつ、帰国して9日経ちました。馬力かけたいと思います。

  マカオの勢いの象徴といえば、今年8月にオープンしたメガホテル「ベネチアン・マカオ」です。サンズという会社が、ラスベガスに続き同名のホテルをマカオにも作った訳です。

  本稿では4枚の写真を添付していますが、左上はホテル内にあるショッピングモール、右上は建物正面です。ところでよーく見てくださいキョロキョロ。モールの天井は本物の空ではなく、人工の空なのです。日中と夕方では、天井の色も微妙に変化するんですよ。ハイテク技術が駆使されています。

  左下は15000人収容のアリーナ。右下は水路ですが、ホテル内のショッピングモールから外の庭園につながっています。ホテルの外に江戸城のお堀のようなお池があるのです。お気づきかも知れませんが、ショッピングモールの景色や水路に浮かぶ舟などは、本場のベネチア(=ベニス)を模しています。このメガホテルは「水の都ベニス」をテーマにしたテーマパークでもあるのです。ホテルの内外に3つのそっくり運河があります・・・。

  ホテルの総敷地面積は5万㎡!!、宜野湾海浜公園が3万5000㎡ですから、かなりの広さです。コタイ地区という埋立地に建てられたので、これだけの広さを確保することができたのでしょう。


(左=ベニスに行ったことありませんが、きっとこんな感じなのでしょう!!)


(左=1万5千人収容ですよ!!視察時はプロバスケットの試合の設営をしていました。)

  以下はホテルのマナージャー(日本人)から聞いたメガホテル「ベネチアン」の能力です・・・。衝撃を受けました!!

  (1)延べ床面積=9万6000㎡=ジェット機747が98機入る。
  (2)カジノ・フロアーの床面積=5万1000㎡=福岡ドームがそっくり入る。
  (3)カジノ・フロアーには、870個のゲームテーブルおよび3500のスロットマシンがある。

  (4)コンベンション・ホール(会議場)=6500㎡=最大6000名の方が着座した披露宴が出来る。
  (5)エキビジション・ホール(展示場)=3万7315㎡=6万人収容可能=幕張メッセよりでかい!
  (6)アリーナ=1万5000人収容可能。

  (7)ショッピングモールの店舗数350件。
  (8)部屋数=2905室(訪問日は2800室稼動)
  (9)約従業員1万1000人(従業員の国籍、、38カ国)


  これだけの施設ですが、投資総額は約2750億円だったそうです。沖縄県の年間予算の7割くらいでしょうか?マカオでは、日本と違い土地代がない分、事業としては安く出来るようです・・・。

  このようにベネチアンだけでも驚くべき能力を備えていますが、先述したコタイ地区に全てのメガホテルが予定通り出来上がると部屋総数1万4000室になるようです・・・。メガホテル地区には6区画あり、ベネチアンで1区画だそうですよ!当分工事は続きますね!

  また香港から橋(約50キロ)を作る計画があるようで5年後には完成するようです。今は交通手段は主に船。

  現場を見て係りから説明を受けますと沖縄がマカオのまねをすることは、かなり無理があるように思えました・・・。いや不可能でしょう・・・。万に一つの可能性を見出すとすれば、普天間飛行場やキンザー跡地を丸ごと用地にして使う方法以外ないと思いますが、中国とは違い、地権者との調整などなどやはりハードルが高すぎますね。

  わたしは、かなりのショックを受けましたが、皆さんは、どんな感想をもたれましたか・・・。百聞は一見に如かずといいます。
一度いかれることをお勧めしたいと思います。  

Posted by 栄咲く at 18:13Comments(10)マカオ視察報告

2007年10月29日

[892]マカオ視察報告(1)はじめに

  こんにちは、栄咲くです。今日もいい天気ですね。沖縄本島本日午前中は議会各会派交渉会に出席し、午後はこれより沖縄県市議会議長会主催による議員・事務局職員研修会に向かう予定です。

  さて私先週後半は、公務で中華人民共和国マカオ特別行政区を視察してまいりました。キョロキョロ目的は、昨年、収益ベースで米国ラスベガスを抜いたマカオ(=澳門)のカジノ調査です。沖縄振興計画が後半に入り、国会でカジノ立法が徐々に具体化していく中で、沖縄のポスト振興計画を見据えた経済振興策としてカジノが有効・有益かどうかを確かめるための渡澳でした。飛行機台北経由で香港に入り、香港から高速船に乗りマカオに入りました。空の足は那覇空港で炎上したチャイナ・エアラインを使いましたが、トラブル無くて良かったです・・。マカオ・香港・中国(→現地ではメインランドチャイナと呼んで区別しています)は、制度が別なので、それぞれの出入の際は入管を通りパスポートの提示を求められます。


(左=建設中のMGMグランド・カジノホテル  、右=高層ビル建築中、奥にマカオタワーが見えます!)

  マカオには中国返還前の98年(返還は99年12月)に行って以来、2度目の渡航となりましたが、初っ端の印象は9年前よりネオンがまぶしく、最新建築のビルや建設中の工事現場が目に付いたことでした。

  マカオは99年に返還された後、2001年にこれまで地元企業1社にしか与えていなかったカジノ免許を国際競争入札を行い米国の会社2社に新たに免許状を交付しました。現在ではさらにサブ免許制度も導入され、サブ3社と合せて6社の企業がカジノ施設やカジノ付ホテルを経営しています。

  別稿で、マカオの税制と福祉政策、失業率、今後の展開、発展の要因などについて、私なりに分析し書いてみたいと思います。時間が来たので、糸満の西崎に向かいます・・・。

  

Posted by 栄咲く at 12:07Comments(4)マカオ視察報告